昨年秋から試験的に運用していた「太巻き対応方式」ですが、今年から本格的に
スタート致します。
カタログはこちら(PDF形式)
まずは、作業手順の動画をご覧ください。(素材は幅950厚み0.4㎜300m巻き)
太巻き作業手順
YouTubeでの動画はこちらえ~作業手順は上記の動画な感じです。
その後の作業は通常作業と変わりません。
ここからは長文になります(時間のあるときにどうぞ!)
【生地の太巻き方式について】
まず、何で太巻き対応方式の開始に至ったかの経緯ですが、
ビニール製品業界は昨今の不況下の中、
新興国へのマーケットシフトが続いて、国内全体での需要は年々減少をたどっています。
それに反してコストは下がり、品質のクオリティ基準は上がっているのが現状です。
コストを下げる為、単純に単価を下げることは即効性は有るとは思いますが、
下げるにも限度があり単価下落が続くと、作業を請け負う企業の運用に支障が出てくるのも現状です。
また、全てそうだとは言えませんが、単価を下げると言う事は、どこかで手間をカットせざるを得ない場合も出てきます。
今までの作業品質を維持する為にも「単価を下げる」ことは出来るだけしたくなく、
ほかにコストカットが出来ないか?と言う発想から、この度の太巻き方式の開始となりました。
1.太巻きとはどんなものか?
下記の画像をご覧ください。
左が太巻き:生地厚0.4㎜300m巻き
中央は通常巻き:生地厚0.4㎜30m巻き
右は通常巻き:生地厚0.4㎜20m巻き
2.なぜ太巻きにするのか?
写真の巻物生地中央部分に紙管とよばれるモノがあります。
紙を筒状にしたものですが、これに生地を巻くことにより、製造過程でも生地を安定して巻くことができて、移動や加工する際も作業がし易くなります。
ただし、この紙管に近い部分(最後の部分)は曇りや、スジが入ってしまいます。
一般的に身近なものでは、家庭用ラップ(サランラップ)などがそうですが、最後の部分は
曇りが入っていたり、スジが入っていて密着度、付が悪いようなことがあると思います。
(全てがそうとは言えませんが)
ビニール生地も同じで、紙管の最後の部分は生地の巻き始め(1週目)段差によるスジや曇りが入ってしまいます。
メーカー各社もこの症状に対して、規格m数より余分に生地を巻いたりして対策をとっていますが、
作業工程、保管環境、ロール状にする特性のロスなどから、足らないのが現状です。
(※すべての素材、品物が上記症状に該当しているわけではありません)
単純に、例えばですが20m巻きで1本あたり1mのロスが出るとして、100本使用した場合100mのロスが出ますが、これを200m巻き10本にすると90本分のロス削減となり、90m分の生地が無駄にならなくて済む計算になります。
さらに巻き芯のアタリ(スジ)部分の混入量が少なくなれば、あたり部分上下の正常な部分への影響も少なくなります。
これが太巻き方式の概要です。
また、生地の太巻き方式はグラビア印刷業界では珍しくなく普及しており、メーカー、代理店も
ノウハウを既に持っていることも、方式導入の採用要因にもなりました。
3.設備について
設備についてですが、作業をするにあたって、いままでのままでは対応できないので、
新しく設備投資をおこないました。
まず、太巻き生地を取り付ける台座ですが、通常のシャフトに挿入する方式ですと、重量的な問題と、紙管と同じ径のシャフトでは無い為に起こる抵抗、テンションに生地が耐えられず、伸びてしまうなどの障害が出てしまいます。伸びた生地は後に縮むので精度が出なくなります。
これらの障害をなくす為、台座の生地装着部分にチャック方式を採用しました。
またチャック部分にベアリングをつけることでスムーズで、テンションが出来るだけ掛からない構造となりました。
ちなみに、シャフト方式でも作業可能な構造となっています。(素材によって使い分け可能です)
太巻き方式用台座(幅1370㎜の生地まで対応)
紙管装着部分画像
画像のように紙管の芯だしが可能で、ベアリングも装着されているので動きはスムーズです。
逆に回りすぎるのでブレーキも装着されています。
次に、生地の移動についてですが、さすがに100kgを超える物を人の手で持つにはリスクがありますので、アーム式のリフトを採用しました。
アーム式リフト(最大荷重180キロまで対応)
このアーム、動きがとってもスムーズ!指で摘むだけでも動きます。操作もカンタン!
ツメの部分、フォークリフトと変わりません
フォークリフトと同じ形のツメならフォークで動かせばいいじゃん!って思う方もいるかと思いますが、当社に来た方ならわかると思いますが、スペースが無いんです(泣
もっとスペースがあれば良いんですが、有るスペースを有効に使わないといけないんで、この方式なんですよ。
これでも裁断業としては広い方の部類なんです、、、。
生地は転がして乗せます。
木の棒は落下止めです。
以上が大まかな太巻き方式の設備です。
もちろんフォークリフトは必須です!
トラックからの荷降ろしなどでも必要です。
トラックにバラ積みやパレット積みで生地は搬入されてきます。
画像はパレット積み搬入例です
最後になりましたが、この太巻き方式はお客様の賛同はもとより、メーカー、代理店さまの
ご協力が必要不可欠です。お客様が競争力を付けるためにも、ご協力、ご指導をよろしく
お願いいたします。
生地の太巻き方式についてのカタログはこちら(PDF形式)
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