今回、太巻き方式の設備と一緒に導入したもので、「粉振り機」があります。
透明やツヤ生地などでは、どうしてもそのまま巻くとブロッキング(ベタベタで平らに延びない)したり、その後の加工性が悪いなどの理由で、裁断屋で粉を振らさせて頂いています。
素材や季節(温度、湿度)により粉の量を調整するのですが、少し前まで当社は職人が手作業で粉を振っていました。
他社では同様に手作業だったり、ホースに穴を開けてそこから粉を落としたり、皆さん試行錯誤していらっしゃります。当社も以前、機械業者と共同で粉振り機を作り試したことが有りますが、酷い有様で使い物にならず、結局、熟練の職人が微調整も出来て一番良いと言う結論になっていました。
しかし、欠点もあり
職人の体調などで粉の付き方にムラがあったり、
幅の広い生地では端まで粉がつかなかったり、
一番の問題は、熟練と呼ばれる域に達するまで数年を要してしまうことです。
それと、上手い下手に個人差が出てしまうことも問題でした。
しかし、これでは企業としてこれから成り立たなくなる時が来ると思い、
展示会に足を運び、当社の仕様に適している機器が見つかったので、導入に踏み切りました。
仕事に手間を掛けることは教えればスグ出来るようになるが、技術はすぐには取得出来ない、、、
「職人の技術の機械化」が課題でした。
導入した粉振り機
ニッカK-Ⅴスプレーと除電装置
散布方式は電子式(コロナ放電を利用した散布方式)を採用していて、
以前からあるK-Ⅲ方式に、2本の飛散防止ローラーを付けたタイプです。
画像はニッカ(株)の資料から抜粋
特徴としては、
散布ローラーと2本の飛散防止ローラーの間に空間ができ、その中で粉の散布が行われるので、飛散量が少なく、付着率の向上、パウダー量の低減などがあげられます。
また、インバーター方式の駆動制御で散布制御範囲の倍増、散布量の1%単位での設定が可能となりました。
ちなみに当社では5%単位で量を調節していますが、±5%しても目視ではあまりわからないくらい均等に振れます。
さらに、除電装置を付けることにより、粉振り前に除電することにより、ムラを軽減させています。
粉振り画像(写真に写す用に通常より量は多めに振っています)
粉振りの動画
※粉は見やすくするため通常より多く振っています。
YouTubeでの動画はこちら
当社は、この散布装置は、大手生地メーカーのインラインで使われている実績が有る機械で、それを裁断巻き取り(延反)用にカスタマイズしてもらい使用しています。
制御部分
制御パネルで設定も記憶してくれています
黒いパイプが除電装置部分
除電装置 画像2
紅日ビニール工業所 http://www.kounichi.com/